本サイトは「仕事術・生産性」ジャンルの本を紹介・書評するメディアです。今回は大川陽介さんの『WILL 「キャリアの羅針盤」の見つけ方』をご紹介します。
本書はVUCA時代において「できること(CAN)」や「すべきこと(MUST)」ではなく、「やりたいこと(WILL)」こそが唯一の確実な羅針盤になると説きます。大川陽介氏は、不確かな未来を生き抜くために内なる意志を言語化し構造化する手法を実践的に提示しています
まず過去の原体験や現在の偏愛といった感情データを集める「ライフスキャン」を実施します。次に「なんで?」「それで?」と問いかけ抽象度を高め本質的な価値観を引き出します。最後にバリュー・ミッション・ビジョンの3要素で構造化し動詞を用いて具体化するという手順です
この記事ではこのプロセスを段階的に解説します。読者は自らの迷いを解消するだけでなく、言語化した意志を他者に共感させる物語にする方法も学びます。組織の価値観と個人の意思を混同せず自律的なキャリア設計を行うための具体的なチェックリストとして活用してください
| 書名 | WILL 「キャリアの羅針盤」の見つけ方 |
|---|---|
| 著者 | 大川陽介 |
| ジャンル | 仕事術・生産性 |
| この記事で紹介する要点 | 6つ |
この本で何が学べるか
WILLは不確実な時代の羅針盤
まず結論から述べますと、不確実な時代において迷いをなくす唯一の方法は、「できること(CAN)」や「やるべきこと(MUST)」ではなく、「やりたいこと(WILL)」を言語化して羅針盤にすることです。著者の佐藤氏は、3000人以上のキャリア支援実績に基づき、このプロセスが参加者のモヤモヤを解消し自己肯定感を高めたという実証データを示しています。なぜならVUCA時代では上司やネットにも正解が存在せず、自分自身の意志こそが行動指針となるからです。他者比較ではなく自分軸を持つことが、真なる自由と行動力の源となります。
次に具体的な手順ですが、幼少期の原体験や偏愛といった感情の源泉を探り出し、抽象化して言語化する作業を行います。「好き」な理由を意識的に言葉にし、過去・現在・未来という時間軸を掘り起こすことで本質的な価値を発見します。例えば「登山が好き」という漠然とした感想から、「高所からの視界が広がる開放感が好き」「困難を乗り越えた達成感がある」といった深い層まで問いかけを重ねます。著者によれば、この言語化プロセス自体が方向性を示し、迷いを減らす効果があります。これにより感情や衝動ではなく、理性と価値観に基づいた持続的なエネルギー源としてのWILLが形成されます。
読者が明日から活かすためには、まず「自分が本当に好きなこと」を3つ書き出し、「なぜ好きか」という理由をさらに掘り下げる練習を行ってください。「組織の意志」と「自分の意志」は明確に区別し、自問自答を通じて本来の動機を確認することが重要です。このワークで浮き彫りになる縦軸の価値観が現在の自分につながっていることに気づけば、モヤモヤはワクワクへ変容します。言語化されたWILLを羅針盤として持ち続けることで、キャリア自律とリーダーシップの実現が可能になります。
WILLを言語化する具体的な手法とプロセス
まず著者の佐藤氏によれば、漠然とした感情は持続可能な行動指針にはなりません。そこで推奨されるのが「ライフスキャン」です。具体的には、過去に強く感動した原体験や現在義憤を覚える出来事を書き出し、「なぜそれだったのか」「それでどうしたいか」という問いかけで抽象度を高めます。例えば「社内政治が嫌いだ」という衝動に対し、さらに掘り下げると「透明性のある判断プロセス」への価値観が見えてきます。この作業により3000人以上の参加者からモヤモザ解消の効果があったとされ、感情の裏にある論理を言語化することで、単なるイライラではなく明確な意思へと昇華させる根拠があります。
次に佐藤氏は、引き出した価値観を「バリュー(判断軸)」「ミッション(行動)」「ビジョン(結果)」という3要素に構造化することを述べています。ここで重要なのは動詞を用いて具体化することです。「誠実である」ではなく、「嘘をつくのではなく事実を伝達する」といったように行為レベルまで落とし込みます。これにより、迷いが生じた際にもこの言語化されたWILLが羅針盤として機能し、自己決定力を高めます。読者が明日すぐできるのは、現在困っている業務一つを取り上げ、「なぜこれが苦痛か」を3回問い直し、最終的に「どのような状態なら納得いくか」を動詞入りで一文にまとめることです。こうすることで組織のMUSTではなく自身のWILLに基づいた自律的な判断が可能になります
WILLを構造化し、人生の羅針盤とする方法
まず、「モヤモヤ」を抱えているなら、それは正解ではなく仮説であると捉え直しましょう。著者の〇〇さんは、WILLを固定された真理ではなく行動を通じて検証し続ける「仮説」と定義しています。具体的には、幼少期の原体験や現在の偏愛・義憤といった感情に耳を傾け、「なんで?」「それで?」と問いかけながら抽象度を高める手順を実践します。例えば「この映画が好きだ」だけでなく、「なぜ共鳴したか」を追跡し、最終的にバリュー(判断軸)、ミッション(行動)、ビジョン(結果)の3要素で構造化するのです。本書によれば、このプロセスは3000人以上のキャリア支援実績に基づき、参加者の自己肯定感向上に実証データがあるため信頼性が高いと述べられています。
次に、言語化されたWILLを「羅針盤」として日常に組み込みます。「できること(CAN)」や「やるべきこと(MUST)」では未来が不透明な現代において迷いが生じますが、「やりたいこと」であるWILLがあれば自己決定力が働きます。読者が明日から活かせるのは、組織の意志と個人のWILLを明確に分離し自問自答を行うことです。「モヤモヤ」を「ワクワク」に変える内省プロセス自体が羅針盤となるため、完璧な結論を出す必要はありません。著者によれば、この問いかけによる内省を組み立てることで曖昧な意志をはっきりさせられるとのことです。
最後に、WILLを物語化することで持続的な原動力とします。単なるスローガンではなく、「想い」と「らしさ」を組み合わせ動詞を活用した具体的な表現に落とし込みます。これにより他者への共感を集め仲間を増やす効果も期待できます。読者は自身のWILLが英雄の旅や変容譚といった3つの物語型のどれかに当てはまるか確認し、異なる文脈間での意味生成(越境)を試みてください。本書ではこの構造化と物語化こそがキャリア自律の基盤であると結論付けていますので、まずは今日の感情から「なぜ」を引き剥ぎ出す作業を開始するのが最も確実な第一歩となります。
WILLを物語化し、他者の共感を巻き込む
まず結論から申し上げますと、個人の意志(WILL)は内面だけで完結するものではなく、「物語」として外に出すことで初めて他者の共感を巻き込む力を持つのです。著者によれば、単なる目標設定にとどまらず、「想い」と「らしさ」を組み合わせた構造化されたメッセージに昇華させることが鍵となります。具体的にはバリュー・ミッション・ビジョンの3要素を活用し、特に動詞を用いて行動を具体化します。「〜するために」「〜を通じて」といった表現で意志を図式化することで、抽象的な理念が他者にも伝わりやすい「共感を集めるメッセージ」へと変換されるという根拠があります。これにより、WILLは単なる自己満足ではなく、仲間を増やす原動力となる組織文化の起爆剤として機能するのです。
次に手順ですが、自身のWILLを3つの物語型(英雄の旅や変容譚など)の一つに当てはめて語ってみてください。「越境」つまり異なる文脈間での意味生成を意識し、自分の経験が他者にどう響くかを考えます。本書の実証データでは、この言語化プロセスを経た参加者において自己肯定感の向上とモヤモヤ解消が見られたとしています。読者が明日から活かすには、既存のスローガン作成ではなく、「なぜ自分はこれを行うのか」という問いへの回答を動詞中心で書き出し、それを誰かの役に立つ物語として再編集する練習をするのが効果的です。こうすることで自己理解と社会貢献の両立が可能になり、キャリア自律を実現できるでしょう。
組織と個人のWILLを峻別し、内なる意志を羅針盤に
まず組織が求める義務(MUST)や単なる能力(CAN)と、自分自身の内なる意志であるWILLを峻別する必要があります。著者の〇〇氏は多くの人がこれらを混同し、「会社のため」という大義名分のもとで本来の欲求を見失っていると指摘します。例えば「取引先への訪問が楽しい」と漠然と感じる場合、それをそのまま受け流さず「なぜ?」と問いを投げかけます。「人とのつながりを作る喜び」なのか、「情報収集する知的刺激」なのかを掘り下げ、抽象度を高めて言語化することで、一時的な感情ではなく持続的な原動力である真のWILLが浮き彫りにされます。このプロセスは著者が3000人以上を対象に行ったキャリア支援で実証されており、モヤモヤした不安が解消され自己肯定感が高まるというデータがあります。
次に発掘したWILLを具体的な行動指針として活用します。不確実な現代では上司やネットに正解がなく、自分自身の意志こそが羅針盤となります。明日からの仕事で迷いが生じた際、「これは組織のMUSTか?それとも私のWILLか?」と即座に判断基準を持ちましょう。もし「新しいプロジェクトへの参加」を悩んでいるなら、それが単なる昇進のための義務(MUST)なのか、自らの成長欲求を満たす意志(WILL)なのかを確認します。著者によればこの区別が明確になると、外部評価に一喜一憂せず自律的なキャリア形成が可能になります。読者は今週中に「好き」な業務を一つ選び、「なぜ好きか」を3段階まで理由を展開する練習を行ってください。そうすることで正解のない時代でもブレない行動原理を手に入れられます。
WILLを羅針盤に、自律と成長へ
まず著者は、不確実な現代において他者依存から脱し、「CAN(能力)」や「MUST(義務)」ではなく自らの意志である「WILL」を羅針盤とすることを提唱します。具体的には幼少期の原体験や日常の「好き」という感情に対し、「なぜそれが好きなのか」と問いかけ、抽象度を段階的に高める手順を実践するのです。例えば料理が好きな場合、単に美味しいからではなく、最終的には「人々の笑顔を通じて安心感を提供したい」といった本質的な価値観まで掘り下げることであり、このプロセスは著者が実施した3000人以上のキャリア支援でモヤモヤ解消や自己肯定感向上という実証データを得ている根拠に基づいています。読者は明日から日記に「今日嬉しかったこと」を1つ書き出し、「なぜそう感じたか」を5回ほど深掘りして記録してみてください。これにより、曖昧な感情が言語化され、迷いが減った上で行動指針として機能する自律的な基盤が作られるのです。
次に著者は、この言語化されたWILLをバリュー・ミッション・ビジョンへと構造化することでキャリア自律を実現できると述べています。組織の意志と個人の意志を明確に分離し、自問自答を通じて内なる動機を確認することが不可欠であり、特に過去から現在へつながる時間軸(縦軸)で価値観を追跡する手法が有効であると指摘します。これは正解のない時代において上司やネットの情報ではなく自分自身の羅針盤を持たなければ方向性を失うという現状認識に裏打ちされた論理です。読者が次に抱く「どう業務と両立させるか」という疑問に対し、著者はWILLを物語化する3つの型を活用し、異なる文脈間で意味生成を行うことを示唆しています。つまり現在の仕事内容そのものではなく、そこで行う行動が自らのWILLのどの部分に貢献するかを意識的に結びつけることで、単なる業務遂行から成長への原動力へと転換できるのです。
こんな人に向いている本
まず本書はVUCA時代におけるキャリア設計の不確実性を解消するための実践的手引です。著者の佐藤氏は「能力(CAN)」や「義務(MUST)」ではなく、「やりたいこと」であるWILLを羅針盤とすべきだと主張します。具体的には幼少期の原体験や現在の偏愛・義憤といった感情データから、まず『なんで?』『それで?』という問いで抽象度を高めます。次にそれをバリュー(判断軸)、ミッション(行動)、ビジョン(結果)の3要素に構造化し動詞を用いて言語化します。この手順によりモヤモヤがワクワクへ変容し他者の共感も得られるため、迷いやすい転職期や自己探求中のビジネスパーソンにおすすめです
次に合わない読者は組織内の役割遂行のみを優先する方々です。著者によれば多くの人は会社の方針と自身の意思を混同しがちですが本書は個人のI-mode(自分軸)からの発想を徹底します。「正解のない未来」で自律的に動くための内省プロセスが中心であるため、上司の指示通り確実に業務遂行できれば満足できる方々や自己分析そのものに抵抗感がある方には不向きです。組織論ではなく個人の内面掘り下げに焦点があたる点をご留意ください
明日からできる実践ポイント
まず、「好き」の理由を書き出し、抽象度を高める練習を行います。今日行えた小さな満足感を一つ選びます。「楽しかった」と止まらず、なぜそう感じたかを3回「なぜ?」と問いかけます。例えば「コーヒーが美味しかった」を掘り下げると「静かに考えられた時間があった」「自分軸で選んだから安心した」といった価値観に辿り着きます。このプロセスで浮かぶ言葉こそWILLの核です。明日は10分だけこの作業を行います
次に、組織の要求と個人の意志を物理的に分離します。「会社のため(MUST)」と「自分のため(WILL)」という二つの列を作り、現在のタスクを書き出してください。多くの人は両者が混在しモヤモヤを感じます。著者によればこれを明確に区別することで自己決定力が向上するとのことです。例えば会議の資料作成がMUSTなら、「誰のために」「何を得たいか」というWILL的な動機を併記します
最後に、言語化したWILLを行動ルールに変換します。「〜したい」ではなく「私は〜を行う人だ」と肯定文で宣言してください。著者は3000人以上の実績から、この明確な意志が迷いを減らすと述べています。具体的には朝のルーチンにその一文を読み上げる時間を設けます。これにより感情任せの意欲ではなく理性に基づく持続的なエネルギー源としてWILLを機能させましょう
レビュアー(仁科 圭)の総評
本書は、VUCA時代におけるキャリア形成において「能力(CAN)」や「義務(MUST)」ではなく、「やりたいこと」であるWILLこそが確かな羅針盤になると主張しています。著者は単なる感情論に留まらず、幼少期の原体験や現在の偏愛といった具体的なエビデンスから本質的な価値観を抽出する手順を示しており、その実践性が類書との大きな違いです。まずライフスキャンで過去の記憶を洗い出し、「なんで?」「それで?」と問いかけながら抽象度を高めるプロセスを経ることで、漠然としたモヤモヤが明確な意志へと変容します。この手法により読者は自己分析の行き詰まりを感じず、論理的かつ感情的に納得できる方向性を見出せるでしょう。
次に重要なのは、言語化したWILLをバリュー(判断軸)、ミッション(行動)、ビジョン(結果)という3要素で構造化し、動詞を用いて具体化することです。著者はこのステップが欠けると目標は曖昧になり実行に移せないと述べています。例えば「世の中をよくしたい」という抽象的な願望を、「不登校児童の学習支援を通じて教育格差是正を図る(ミッション)」といった形に落とし込むことで、日々の意思決定基準が明確になります。これにより組織の価値観と個人の意志をごちゃ混ぜにするミスを防ぎ、真の意味での自律性を得られます。読者は自身のWILLをこのフレームワークに当てはめてみるだけで、キャリア選択時の迷いが大幅に減少するはずです。
さらに著者は、言語化したWILLを「想い」と「らしさ」を組み合わせた物語として他者に伝える重要性も強調しています。単なる目標設定ではなく共感を集めるメッセージへと昇華させることで、仲間やリソースを引き寄せる原動力となります。本書の最大の価値は、内省的な作業から対外的な戦略までを一貫したロジックで繋げている点にあります。読む際は特に「物語化」の章に注目し、自身の強みや背景をどう伝えるかシミュレーションしてみてください。そうすればこの本を読むコストは短期的に回収でき、長期的にはキャリア自律への投資として大きなリターンをもたらすはずです。
本書の読み方ガイド
まず、時間がない読者は「まえがき」と「第9章 WILLを行動につなげる」のシリーズに集中してください。著者の佐藤氏は、WILL(キャリア羅針盤)の本質は思考実験ではなく具体的な行動変容にあると強調しています。特に第9章では、抽象的な目標設定から脱却し、「明日できる1アクション」まで落とし込む手順が5回に分けて詳述されています。ここだけ読んでも、現在の業務改善や転職活動の軸定めに即座に活用できます。理論より実践を優先する実務家なら、この部分だけで投資対効果は十分回収可能です。
次に、じっくり読むべきなのは「第6章 WILLを構造化する」と「第7章 WILLを組み立てよう」です。佐藤氏によれば、多くの人がキャリアで迷うのは過去・現在・未来の因果関係を断片的に見ているからです。これらの章では、自身のエピソードをデータのように整理し、一貫した物語として再構築するためのフレームワークが提示されています。具体的には、過去の成功体験や失敗事例を「強み」として言語化する手順が含まれます。このステップを飛ばすと、第9章の行動化が空転するリスクがあるため、少なくとも1度は通読することをお勧めします。
結論から言えば、本書はつまみ読みで十分価値を得られます。「第2〜3章」でWILLの定義とメリットを確認し、「第6・7章」で自身のキャリア構造を整理、最後に「第9章」で行動計画を立てるという三段階アプローチが効率的です。すべて通読する必要はありません。佐藤氏の示す手順に従い、自分のために使える部分だけ抽出して適用すればよいのです。
気になった方は、ぜひ本書を手に取って読んでみてください。
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